今回はWebサイト制作でよく聞く「SSL証明書」についてご紹介します。
Webサイト制作の際に、SSL証明書を設定してくださいと言われたけど、何をしたら良いのか分からないという方も多くいます。
本記事では、そもそもSSL証明書とは?設定するにはどうしたらよいの?をご説明します。
目次
SSL証明書とは?
SSL(Secure Sockets Layer)証明書とは、ブラウザとWebサーバ間の通信を暗号化するための電子証明書のことで、簡単に言うと、Webサイトの閲覧ユーザーの個人情報やクレジットカードの情報等を保護するための仕組みです。
企業のWebサイトでも、お問い合わせフォームから個人情報の入力を必要とする場面があるため、個人情報保護のためにSSL証明書の導入を行う企業が多くあります。
SSL証明書を導入することにより、Webサイトで個人情報の保護を行っていることや組織が本当に実在しているかを証明できるため、事業者は安全性や信頼性の高いWebサイトであることをユーザーに示せます。
SSL証明書を導入するメリット
データの安全性
SSL証明書を導入すると、通信データは暗号化され、悪意のある第三者がもし情報を傍受したとしても、データが暗号化されているので解読が困難になり、ユーザーがWebサイトに入力する個人情報やクレジットカード情報が安全に送信されます。
Webサイトの信頼性
SSL証明書を導入したWebサイトは、「実在する運営者や組織によって運営されているWebサイト」であることが認証局(電子証明書発行機関)によって認証されているため、ユーザーは安心してWebサイトを利用できると判断できます。
SEO(検索エンジン最適化)の向上
Googleなどの検索エンジンは、SSL証明書を導入しているWebサイトをランキングで優遇すると発表しています。つまり、SSL証明書を導入することで、検索エンジンでの表示順位の向上が期待できます。
Webサイトの高速化
SSL証明書を導入することでHTTP/2(今後はHTTP/3)という通信規格を利用できるようになります。HTTP/2やHTTP/3は従来の通信規格よりも通信速度が速いため、ユーザーの離脱を防いだり、SEOの向上にもつながります。
逆に言うと、HTTP/2やHTTP/3はSSL証明書を導入していないと利用できないため、SSL証明書の導入は必須と言えます。
SSL証明書の種類
SSL証明書はWebサイト運営者や組織の「認証内容」によって、3つにレベル分け※されています。それぞれ特徴や認証方法が異なり、導入するWebサイトの用途や予算に応じてSSL証明書を選ぶことが可能です。
- 認証レベルは認証内容の厳格さの違いで分けられており、暗号化通信の強度自体はどのSSL証明書も同じです。
ドメイン(DV)認証 | 企業実在(OV)認証 | EV認証 | |
---|---|---|---|
認証レベル | 低 | 中 | 高 |
主なユーザー | 個人や小規模事業主など | 中規模程度の会社や組織など | 大企業や金融機関など |
主な利用サイト | 個人や小規模サイト、ブログなど | オンライン取引や個人情報を扱うサイトなど | 金融や大規模なオンライン取引を扱うサイトなど |
認証内容 |
|
|
|
維持費用(年) | 無料~3.5万円程度 | 6万円程度 | 13万円程度 |
発行日数の目安 | 即日~1日程度 | 1日~1週間程度 | 1~2週間程度 |
ドメイン(DV)認証
認証する項目がドメイン(コモンネーム)名の利用権のみで、認証項目が少ないため発行までの所要時間が短く、無料~低価格で取得できます。
ただし、無料のSSL証明書では導入時などに認証局のサポートも受けられないので、注意が必要です。
簡単に取得できるため、個人事業主などにおすすめです。
企業実在(OV)認証
ドメイン認証に加えて、認証局が第三者機関データベースに組織情報の照会や、登録されている電話番号へ電話確認を行い、組織が法的に存在していることを認証します。
Webサイトから閲覧できる証明書情報に運営組織名と住所が記載されるため、フィッシング対策やなりすまし対策もでき、Webサイトの信頼性がアップします。
小・中規模以上の企業や組織におすすめです。
EV認証
SSL証明書のなかで最も信頼性が高い認証方法で、ドメイン認証、組織の法的存在認証に加えて、登記事項証明書等の書類認証や運営確認等を行い、企業が物理的に実在し運営されていることを認証します。
認証項目が多いため費用が高く、取得までに時間もかかりますが、個人情報を取り扱うネットショッピングや金融機関などの決済が発生するWebサイト、フィッシングサイトが作成されやすい大手企業などでユーザーが安心してサイトを利用するためには導入が必須と言えます。
SSL証明書をWebサイトに設定する方法
SSL証明書の取得
SSL証明書は認証局から発行され、発行の申し込み時には認証局による認証作業が必要です。SSL証明書は種類によって認証内容や価格が異なるため、予算や用途に合わせて必要な証明書を選びましょう。また、申し込みをする認証局によって発行にかかる時間やサポート体制が異なるため、認証局の選定も大事です。
Webサーバ会社を通じて認証局にSSL証明書発行の申し込みが可能な場合も多くあります。
Webサーバーへの導入
審査・認証が完了すると、認証局よりSSL証明書が発行されます。各Webサーバ会社のマニュアル等に沿って導入を行ってください。多くのWebサーバ会社では、SSL証明書の導入を簡単に行えるツールを提供しています。
Webサーバ会社からSSL証明書の発行を申し込んだ場合は、Webサーバ会社側で導入まで行ってくれる場合もあります。
Webサイトの表示確認
SSL証明書を導入したら、Webサイトが正しく動作するか確認しましょう。ブラウザで「https://」から始まるURLに問題なくアクセスできれば導入が完了です。
また、ブラウザのURL部分に鍵マーク※が表示され、クリックするとSSL証明書の内容を確認できます。
- ブラウザの種類やバージョンによっては鍵マークが表示されないこともあります。
SSL証明書導入へのOS工芸社の対応
当社では、Webサイト制作の際に、原則すべてのお客様に対してSSL証明書を導入していただいています。
当社でSSL証明書の発行や直接申し込みは行っていませんが、SSL証明書の種類や認証局の選定など、導入に関してのサポートを行っています。
SSL証明書の導入だけでなく、Webサイト制作時に発生するセキュリティのお悩みなど広く相談いただけますので、お困りの際はお気軽に相談ください。
今回の記事のまとめ
- SSL証明書とは、ブラウザとWebサーバ間の通信を暗号化するための電子証明書のこと
- 用途や予算に応じてドメイン(DV)認証、企業実在(OV)認証、EV認証の3種類から選択できる
- SSL証明書を導入することで、安全性や信頼性の高いWebサイトであることをユーザーに示すことができ、SEOの向上にもつながる
Webサイトのセキュリティ向上、プライバシー保護のためにSSL証明書の導入は必要不可欠です。
OS工芸社では、ユーザーが安心してWebサイトを利用できるように、SSL証明書の取得・導入のサポートを行っています。
何かお困りの際はぜひお気軽にご相談ください。
- 人気の記事 Popular Articles